ミレニアムサイエンススクール:爆発とハッキングが交差する学園
ミレニアムサイエンススクール
「爆発と、時々ハッキングのある学園」
さてさて、そもそも世の中には二種類の学園が存在する。ひとつは爆発しない学園、もうひとつは爆発する学園。
「何を言っているんだ?」
と疑問符がキラリと光る読者もいるだろう。ミレニアムサイエンススクールとは、世にも珍しい
「爆発する学園」
である。もっと正確に言うなら、日常的なスケールで、あれよあれよと爆発が起こる学園なのだ。こんな研究至上主義の学校なんて他にはまずない。大半の学園がトラブル回避を叫ぶ中、ミレニアムはそれらを「実験データ」にして糧にするというのだから、もう度肝を抜かれるしかないではないか。
その起源は「千年難題」
ミレニアムサイエンススクールが生まれた背景には、現代科学じゃ歯が立たない「7つの難題」に挑んだ研究者たちの集いがあった。 世の中には、“難題”と呼ばれたが最後、誰一人解けなかったり、解けたとしても実用化までたどり着かなかったりする悲哀に満ちた謎がたんまりと転がっている。ならば自分たちで解いちゃえばいい。そんな破天荒な考えが学園の礎となっているのだ。 結果、この無謀に見えて何とも学問的意義に満ちたアプローチは結構な成功を収めた。何しろ、最先端や最新鋭と評される発明のほとんどがここで作られているときた。ゲヘナ学園やトリニティ総合学園という大御所相手にも全く引けを取らない影響力で、結果として「キヴォトスの三大学園」の一角まで登り詰めたのである。ご立派な話である。
どんな学園?
数々の部活動──研究・探検・情報操作・ゲーム!?
さて、学園の勢力図を彩る部や委員会はてんこ盛りだ。どいつもこいつも先進性が際立つが、思いのほかバラエティも豊富である。主な部活・組織をざっと挙げてみよう。
- セミナー・・・学園内の運営に携わる生徒会的存在で、研究活動を統括する。
- 特異現象捜査部・・・こちらは常識外れな現象をとっ捕まえて調べる、トンデモ部活。
- ヴェリタス・・・ハッキングや情報収集に特化したテック集団。
- エンジニア部・・・配線から巨大ロボットまで何でも開発・改良してしまう猛者たちが大集合。
- Cleaning&Clearing・・・掃除屋さんならぬ掃討屋さん。
- ゲーム開発部・・・ゲームを愛し、企画から開発まで手掛けてしまう。
とまあ、そんな組織が学園を縦横無尽に駆け巡っている。研究と活動内容が多様性の極みにあるのは、さすが学問の急進派ミレニアムというべきか。
「M」「7」「N」が交差する校章
ミレニアムサイエンススクールの校章には大きく「M」があしらわれている。 さらに数式において自然数を表す「N」もデザインに組み込まれているそうな。千年難題(Millennium Problems)を背負い、自然数(Natural Number)のように拡張を続ける、そんな混ぜ合わせのこだわりを象徴しているかも。
キャンパスはまるで近未来──高層ビル「ミレニアムタワー」がそびえ立つ
もはや都市というより要塞と呼ぶべきか。学園の主要施設間を結ぶモノレールが完備されていて、中央にそそり立つは“ミレニアムタワー”。ここだけ見ればまさにSF映画のワンシーン。そこにフィットネスセンターや発電所まであるのだから隙がない。 しかし一方で、未開発の自然地域も学園敷地内にあるらしい。キャンプなどアウトドアが好きな人々には、こちらの方が魅力的だろう。最先端技術も自然との共存も、一挙両得でおいしいとは、何ともずるいのでは?
運動系には後ろ向き?
ところでミレニアムの校風だが、とにかく自由だ。常に研究しろ、思索せよ、やりたいことがあればとにかくやれ、という感じ。 そのしわ寄せか、体力が低い生徒が増えているとかいないとか。おまけに他人との関わりをあまり好まないインドア派も多く、スポーツなんて一部の部活でしか盛んじゃないらしい。 し
研究費が足りない、いつだって足りない──ユウカの頭痛がとまらない
“成果には資金がいる”。資金がいれば研究が進む。研究が進めばまた大規模な実験をする。実験にはさらなる資金が必要。 ……という錬金術のごときサイクルのせいで、会計担当のユウカは頭痛に悩まされているらしい。
治安は悪くない?──でも日常が爆発と隣り合わせ
ゲヘナ学園などと比較すると“平和”と評判のミレニアム。しかし、平和の定義に少々問題があるのではないか? そもそも発明品の暴走やら、爆発事故やらが「日常的に発生」する。それを「平和」と呼ぶならば、世の中の争いはほとんど冗談だったりする。
まとめ
ミレニアムサイエンススクール──それは「爆発」という芸術のもとに集った研究者や生徒たちの楽園だ。いや、楽園と地獄のハイブリッドかもしれない。 ともかく最新鋭技術と自由奔放な校風の下、今日も部活が愉快に(?)実験を繰り返している。この「7つの千年難題」に挑む精神を端的に示すかのような壮大なる日常。それこそがミレニアムサイエンススクールの真骨頂。 「爆発と改革と、時々ハッキング」──そのすべてが詰め込まれた学園を訪れれば、あなたもきっと世界観にのめり込むことだろう。